研究所の理念

所長:杉浦 隆幸

今後はサイバー戦が主体になる

所長 杉浦 隆幸

平成25年5月、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)から「サイバーセキュリティ戦略(案)」が公開されました。 サイバー空間は、安全保障の分野で「陸・海・空・宇宙」に続く領域とされており、現在では既に40カ国以上の国でサイバー戦の専門部隊を擁しています。 日本でも現在、自衛隊に「サイバー防衛隊(仮称)」を新設する方向で検討さており、意見公募を経て6月には正式に決定される流れとなっています。 その司令塔となる前述のNISCも、平成27年度を目途に「サイバーセキュリティセンター」へと改組され、権限強化が図られる予定になっています。

サイバー空間では、今までにない戦い方が必要となります。
サイバー戦は、これまでの戦争のような直接の物理火器・兵器類による戦闘とは全く異なる「既存の国際法の枠に収まりきれない戦い」と言えます。 また同様に、サイバー攻撃も水面下で、常に、執拗に行われています。 どちらも追跡不可能な匿名性を確保する事によって、常に相手国の社会基盤を揺るがす事が可能であり、 そういった攻撃から、ネットワーク全体を十分に守ることが急務と言えます。

サイバー攻撃は、大きく分けると事前の諜報活動や水面下の工作活動にあたる部分と、 攻撃が顕在化し実際に被害を与える「戦闘行為」にあたる部分とに分かれます。 平時こそ危機にさらされるサイバー攻撃においては、攻撃の表層である「戦闘行為」だけを見て対処するだけではなく、 その奥にある相手の目的とその戦略を調査し、理解し、その上で最善の対応策を練る必要があるのです。
サイバー戦略においては、防御策を理解するためにも攻撃手法の研究を積極的に推進し、 また諸外国のサイバー戦略を研究し、理解し、対策をとり、時には同盟国・友好国と協調し連携する等々、 自国を標的とされない為の戦略立案も極めて重要となります。

私たちは、サイバー戦略を専門とする研究機関として、国際サイバー戦、サイバーテロ等に関する先端技術研究活動、 サイバー戦における攻撃および防御、無効化等に関する先端技術研究活動を推進し、 その活動を通じて国家の安全に寄与していきたいと思っています。